健康一口メモ/異所性妊娠

異所性妊娠

 以前は「子宮外妊娠」という言葉が使われていましたが、産婦人科学会の用語としては、平成21年から「異所性妊娠」という言葉を使うようになっており、内容的には同じです。

 本来ならば、子宮内腔に着床する受精卵が、子宮内腔以外の場所に着床して起こるものです。その約95%は卵管という卵巣と子宮をつなぐ管に起こります。

 卵管に着床した受精卵が大きくなり、卵管が破裂すると、おなかの中に大量出血し、命に関わるショック状態になることもあります。しかし、最近では妊娠検査薬やエコー検査の普及により、破裂する前に発見される例が増えています。

 卵管妊娠の原因としては、卵管の炎症によるものが多いですが、最近では性感染症の一つであるクラミジアによるものが増加しています。クラミジアは感染しても症状がない場合が多く、その後遺症として卵管がつまったり、癒着を来たし、子どもができない原因になったり、妊娠しても流産の原因になることがあります。

 異所性妊娠の特徴的な症状は、無月経、下腹部の痛みおよび不正出血といわれていますが、自分で妊娠と気がつかず、病院を受診して分かる場合もあります。

 異所性妊娠の治療は、手術が必要なことが多く、最近では腹腔鏡下手術が行われています。

 生理が遅れたり、生理と異なる出血がみられたり、お腹の痛みがある場合には、近くの産婦人科を受診してください。(2017年2月)