変形性股関節症股関節の痛み
股関節の痛みは股関節疾患のみに起因するとは限らず、しばしば腰椎や骨盤周囲の疾患に関連した痛みとして起こります。原因疾患を突き止めるには股関節痛がいつ、どのように発生したか、どんな動作で強くなるかを正確に医師に伝える必要があります。
変形性股関節症は関節軟骨がすり減り、最後には骨が変形してしまう病気です。原因がはっきりせず加齢に伴って起こる場合もありますが、大半は赤ちゃんの時の発育性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全に起因しています。他に感染症や外傷に伴っても発症します。
主な症状は立ち上がりや歩き始めの脚の付け根の痛みであり、長時間の立ち仕事・歩行、階段の昇降で痛みが強くなります。時には臀部や太もも・膝上の痛みが主体に出ることもあり、腰からの坐骨神経痛や変形性膝関節症と似た症状として現れることもあります。変形が進行すると股関節の動きが制限され足の爪切りや靴下を履くのが困難になってきます。歩く時に肩を上下に揺らしながら歩くのもこの病気の特徴の一つです。変形が高度になると人工股関節に置き換える手術が必要になりますが、早期に診断を受ければダイエットや股関節周囲の筋力強化で進行を遅らせることができます。
特に身内に股関節疾患の患者がいる方は変形性股関節症を来す確率がやや高いので、股関節痛が出た場合はまず整形外科医に相談しましょう。(2017年11月)