健康一口メモ/ぎっくり腰は病名ではない!?原因疾患で治療は変わる、腰痛の病名を知ろう

ぎっくり腰は病名ではない!?原因疾患で治療は変わる、腰痛の病名を知ろう

 ぎっくり腰というのはよく耳にすると思いますが、実際にはぎっくり腰という病名はありません。ぎっくり腰とは急性腰痛の状態を指す言葉でその原因は、筋肉性だったり、神経性だったりと様々です。

 そもそも、腰痛にはいくつかのタイプがあります。まず大きく二つに分けて、腰に原因があるものと、腰自体には原因がないものに分かれます。

 腰自体に原因がないものの代表は、感染症や、がんの転移、内臓疾患や婦人科疾患などがあります。腰への負担などは関係ないこれらの疾患は、当然ながら原因疾患の治療が優先となります。

 次に腰に原因がある疾患ですが、原因別に大きく三つに分かれると私は考えています。一つは骨や関節など腰椎自体に異常がある場合、二つ目は、腰の神経に圧迫や狭窄などの異常がある場合、三つ目は腰の筋肉に異常がある場合です。
腰椎に異常がある場合の代表疾患は、椎間関節炎、椎間板性腰痛、腰椎圧迫骨折、腰椎終板炎、腰椎分離症です。神経に異常がある場合の代表疾患は、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症。筋肉に異常がある場合の代表疾患は、筋筋膜性腰痛症です。

 この他にも疾患の種類はありますが、多くはこれら8つの疾患のうちのどれか、もしくは合併によって痛みを出してくると思います。

 同じ腰痛症でも原因によって、治療の仕方や避けたい姿勢がかわってきます。

 整形外科で、適切な診断・治療を受け、いわゆる“腰痛難民”にならないようにしましょう。(2017年6月)