健康一口メモ/O脚について

O脚について

 両足をそろえて立ったとき、膝の間が開き、Oの字のように見える状態をO脚といいます。生まれてから二歳頃までは、みなさんO脚の状態です。成長とともに自然に真っ直ぐになり、三歳頃に一時的にX脚となりますが、五歳から八歳頃までには安定していきます。しかし、子どものO脚の中にも頻度は少ないですが、病的なものもあり注意が必要です。代表的な病気としては、成長障害に伴う「ブラント病」、ビタミンD不足に伴う「くる病」などが挙げられます。適切な治療や経過観察が必要となりますので、左右の脚でO脚の程度に差がみられる場合や、O脚が強い場合は、一度かかりつけの医師や整形外科で診察を受けましょう。

 一方、大人のO脚で注意が必要となる病気は、膝の変形性関節症です。筋力の低下や、肥満、重労働などで膝に負担がかかり続けると、軟骨がすり減り、さらにO脚が進行し、病状が悪化していきます。程度が軽い場合は、リハビリや注射などで改善することがほとんどですが、変形が強い場合は、手術治療が行われます。人工関節が中心となりますが、七十歳以下の患者さんでは、O脚を矯正する骨切り術が行われます。すり減った軟骨がその後再生することが期待され、経過が良い患者さんでは、山登りやスポーツを楽しむことも可能でしょう。

 大人のO脚で膝を悪くしないためには、適度な運動習慣を保ち、長時間の正座やあぐら、横ずわりなどを控えるよう、日頃から注意して過ごすことも大切です。(2017年2月)