食道がん、あなたは大丈夫?
最近、有名人が食道がんにかかったという報道を耳にすることがあります。これはどんな病気なのでしょうか。
食道は口から胃につながる長さ約25センチの細い道で、心臓、大動脈、気管、肺など重要な臓器に囲まれています。食道がんは早期から転移しやすく、周りの重要臓器に広がりやすいことから、治療が難しいのです。
症状としては、食べ物を飲み込んだら胸の奥が痛む、熱い物を飲み込んだらしみる、飲み込んだ食べ物がつかえる、体重が減少する、胸や背中が痛む、むせるようなせきや血の混じったたんが出る、声がかすれるなどがあります。しかし、症状が全くないことも珍しくありません。とくに初期は症状がないことが多く、たとえあっても日常よく経験するものばかりで、症例の約20%は検診や人間ドックで発見されます。さらに、症状が出た時には既に進行がんであることが多いのも、治療が難しい理由です。
食道がんは比較的高齢の男性に多く、一種の生活習慣病といってよい病気です。お酒を飲む人、とくに濃いお酒をストレートで飲む人。お酒を飲んで赤くなる人や、過去にそうだった人。タバコを吸う人。加えて、緑黄色野菜や果物を習慣的に食べない人。これらに当てはまる場合、食道がんに気をつけた方がよいでしょう。あなたは大丈夫ですか?
50歳以上の男性で、このような症状がある方は、ぜひ年に一回検査を受けてください。早期発見のためには、内視鏡検査が必要です。(2017年3月)