健康一口メモ/レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害

 レム睡眠行動障害には次のような症状があります。すなわち眠っているのに、大きな声で叫んだり、手足をバタバタさせたり、起き上がってカーテンを引きちぎったりする。場合によっては横に寝ている奥さんの首を絞める。本人は眠っているので、その行動を覚えていない。家族はびっくり仰天。悪霊が憑りついたのではと心配するなどです。50歳以上の男性に多いと言われていますが、女性にもみられます。

 私達は睡眠中に夢を見ますが、この夢を見ている時をレム睡眠といいます。レム睡眠では脳は活動しているのですが、体、筋肉は休んでいます。だから、脳が夢を見ても筋肉が動かないようになっています。しかし、何らかの障害でレム睡眠の時期に筋肉が少しでも動くようになると、夢の中の行動が現実にも出てくるようになり、叫んだり暴れたりしてしまいます。本人は、悪夢を見ていたといわれることが多く、夢の中で抵抗して体を動かしていたことが、現実になっているようです。この障害の原因ははっきりとはわかっていませんが、パーキンソン病やレビー小体型認知症の初期に現れやすいことから、神経系の何らかの障害だと考えられています。原因は不明ですが、治療はある種のてんかんの薬を使うことで八割程度の方が改善するようです。以上のような症状を有する方は、睡眠を専門とする医師に相談をしてください。その時には、本人は自覚がありませんので、睡眠時間を共にする方とご一緒に受診なさることをおすすめします。(2017年11月)