健康一口メモ/手足が動かなくなるギランバレー症候群

手足が動かなくなるギランバレー症候群

 急に手足に力が入らなくなる病気の一つにギラン・バレー症候群があり、筋肉を動かす運動神経が障害されることによって起こります。多くの方が、症状が起こる1~2週間前に風邪や下痢などの感染症にかかっています。その時のウィルスや細菌感染が引き金となり、免疫システムの異常が起こって発病するとされています。最初は足に力が入らない、立ち上がりにくいなどの足の筋力の低下から始まることが多く、その後体の上に向かって症状が進んで行きます。手足のしびれ感もしばしば伴います。症状の進行や程度は様々です。軽い症状ですむこともあれば、急速に進行して呼吸する筋肉まで動かなくなり人工呼吸器が必要となることもあります。発病から1~3週間以内に症状はピークとなり、その後は改善していきます。
治療法として、発病からなるべく早く、免疫グロブリン製剤の点滴、血液成分を入れ替える血漿交換療法、ステロイドホルモンの大量投与などを行うと、症状は改善し、早く回復することがわかっています。また回復する時期には継続したリハビリテーションが大切です。軽症の場合は1~2カ月、多くは数カ月程度で治りますが、残念ながら後遺症を残す方も少数おられます。また、ほとんどの方は一回しかかかりませんが、5%程度で再発があると言われています。早期

 治療のためにも早期診断が大切です。手足に力が入りにくいと感じた時はお近くの神経内科へ受診されることをおすすめします。(2017年9月)