気になりませんか、お口のかわき
近年、お口のかわきに悩む方が増えています。これは、唾液の量が減少し、口の中がかわいてくるドライマウスといわれる状態です。ひどくなると、かわきだけではなく、舌の荒れや痛み、口の中が灼けるような感じ、味覚の低下、飲みこみにくさ、しゃべりにくさなど様々な症状が出てきます。原因は、大きく二つに分けられます。
一つは、中年以降の女性に多いシェーグレン症候群という病気によるものです。これは唾液を作る唾液腺や、涙を作る涙腺というところに、軽い炎症が持続して、その機能が徐々に失われていく病気です。40歳以上の女性で、口だけではなく、眼も乾く、疲れやすい、関節の痛みがある、耳の下にある唾液腺が時々腫れるなどの症状に心当たりがある方は注意が必要です。
もう一つは、シェーグレン症候群以外の原因によるものです。糖尿病や高脂血症、腎臓、甲状腺の病気などによるもの、血圧やアレルギーのお薬、胃酸を抑えるお薬、精神安定剤など薬の副作用によるもの、うつ病などの精神障害や過度のストレス、緊張など自律神経の影響によるものなどが挙げられます。中でも、お薬の副作用によるものは頻度が高く、数種類のお薬を長期にわたってのまれている方は、お口のかわきが出やすい傾向にあります。
このように、お口のかわきは様々な原因で起こってきます。単に歳のせいだからと決めつけないで、お早めに近くの歯科や内科、耳鼻咽喉科などかかりつけ医に相談しましょう。(2015年放送)