歯科/入れ歯の調整だけで、認知症の症状が劇的に軽くなった話

入れ歯の調整だけで、認知症の症状が劇的に軽くなった話

  十年ほど前、介護施設から「入れ歯が全く合わず食事ができない方がいる」と治療依頼がありました。その方はこちらの挨拶にもほとんど受け答えができない状態で、かろうじて「口を開けてください」「咬んでください」に反応できる程度でした。入れ歯の調整を終え、三日後に様子を見に行ったところ、その方は私の顔を見るなり「この前はありがとうございました」とおっしゃり、私はびっくりしました。施設の方にお話を聞くと、調整するまではプリンを一口くらいしか食べなかったのに、調整した夜からもりもりご飯を食べるようになり、みるみる元気になったとのこと。

これほど極端な例はまれですが、噛み合わせと食事の関係のみならず、噛み合わせと運動、噛み合わせと認知症との関連についての研究も報告され始めています。

認知症とお口の関係で特に問題なのは、進行した認知症では、例えば口を開けてくれなかったり反射的に体を動かしたりと、治療自体が非常に困難になるということです。ご自身でお口の問題を早い時期に発見することも大切ですし、周りの方が、お口の問題に気が付くことも大切です。認知症と診断されたら、早めに、かかりつけの歯科医院を見つけ、継続してみてもらいましょう。(2015年放送)