繰り返すじんましん
じんましんの大部分は原因が明らかでない「特発性」と呼ばれるものです。多くは数日から2週間程度で治る急性じんましんですが、1カ月以上続いた場合、「慢性じんましん」といいます。
慢性じんましんになると、数カ月から時には数年以上も症状が出没し、抗ヒスタミン剤などの薬物治療が欠かせません。
慢性じんましんの原因は不明ながら、自律神経が不安定になると、出やすくなります。自律神経を不安定にする要因には、過労、寝不足、大きなストレス、風邪などの感染症があり、これらをできる限り避けることも重要です。
慢性じんましんの治療の第一は抗ヒスタミン剤です。昔は眠気を起こすことの多かった抗ヒスタミン剤ですが、現在は眠気の少ないものが多く使われています。しかし時には薬物が効きにくい方もあり、複数の薬を要する場合もあります。まれには抗ヒスタミン剤の効かないこともありますが、他に効く可能性のある薬物がありますので、皮膚科専門医の受診をおすすめします。
慢性じんましんの薬物治療では、症状が消失しても、当分の間内服を継続することが大切です。薬を止めると、症状の再燃を繰り返しやすいのです。十分な内服期間の後、薬物を減量しても症状の再燃がなければ、じんましんが出た時のみの内服とします。しかし再燃すれば、適量の内服が必要となります。(2015年放送)