皮膚科/脱毛症

脱毛症

 一日に生え変わる正常な数を超えて毛髪が抜け、うすくなった状態を脱毛症といいます。脱毛症には色々な種類がありますが、最も多いのが円形脱毛症です。原因はまだよく分かっていませんが、自覚症状がほとんどないコインの大きさ程度の脱毛を来すことが多いようです。脱毛の部位の数が少ないものは塗り薬などで治ることが多いのに対し、短期間で急激に拡大、多発するものは飲み薬や紫外線治療、点滴治療などを必要とすることもあります。

他によく見られる脱毛症としては、男性型脱毛があります。男性ホルモンの影響により、毛の成長周期が短くなり、細いうぶ毛が増え次第に髪が薄くなる状態で日本では成人男性のおよそ30%に見られます。最近では、塗り薬や飲み薬で治療できるようになりました。

また、ペットなどから感染したカビや細菌などによって起こる脱毛もあります。他に、膠原病や甲状腺などの病気に伴う脱毛は、原因となる病気の治療が必要となります。その他、出産やダイエット、貧血、様々な薬剤などが原因となり、髪の成長期が急激に止まってしまい、脱毛を起こすことがあります。同じ分け目や髪形を続けることでみられる脱毛を牽引性脱毛といいますが、原因がなくなると改善することもあります。

このように、脱毛といっても様々な種類があり、効果的な治療のためには的確な診断が必要となります。気になる症状がありましたら、早めに皮膚科専門医を受診されることをおすすめします。(2015年放送)