泌尿器科/血精液症(精液に血が混じったら)

血精液症(精液に血が混じったら)

 精液の中に血液が混じった状態を血精液症と呼びます。精液は精子と、精子の栄養源である前立腺液などの液体成分から構成されています。精巣で精子が作られて、精管という通路を通る間に、前立腺液などの分泌液が混じり合い、精のう腺という場所に一時貯蔵され、射精の時に尿道を通って体外に排出されます。従って、この精液が体外に排出されるまでの通路に、何か出血する病気が発生すると、精液に血が混じることになります。

一般的に血精液症は自然消失することが多く、あまり重要な病気とは考えられていないようです。最近の報告では、血精液症は1カ月で40%、6カ月では80%が自然によくなりますが、3%の人が2年以上持続するといわれています。また、いったん病気が治っても、3カ月で3%、1年で9%の人が再発し、さらに10年を経過しても再発する場合があります。

以前は、血精液症の原因の大部分は、前立腺の炎症だと考えられていましたが、医療の進歩に伴い、炎症以外の前立腺や精のう腺の病気が多いことが分かってきました。その多くは、手術などの必要がない病気です。前立腺がんや膀胱がんなどの悪性腫瘍は約2%と極めて少ないものの、悪性腫瘍は生命に関わる可能性があり絶対に見落としがあってはならない病気ですから、40歳以上の男性で精液に血が混じったら、泌尿器科専門医を受診されて、PSA検査という前立腺がんの血液検査を含めた精密検査をおすすめします。(2015年放送)