耳鼻咽喉科/耳が詰まる〝耳管狭窄症〟

耳鼻咽喉科/耳が詰まる〝耳管狭窄症〟

  鼓膜の奥には中耳腔という部屋があります。この部屋は耳管という細い管で鼻の奥にある上咽頭という部屋とつながっています。この管は中耳腔という部屋の玄関みたいなものです。普段は閉まっていますが、換気をする時やゴミ出しの時に開きます。実際には唾液や食べ物を飲み込む時に開きます。しかし、風邪、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があると粘膜が腫れ、鼻水が出ます。ちょうど、玄関のドアが重くなり、その前にゴミを置いてあるようなものです。そうするとドアがうまく開かず、部屋にはゴミが溜まり空気が少なくなる、これが耳管狭窄症です。患者さんは「耳がつまる」「耳に蓋がされた感じ」「耳に膜が張った感じ」「高い山に登ったような感じ」などと訴えます。

治療はドアを直しゴミを取り除く、つまり薬や吸入療法で粘膜の腫れや鼻水を治すことになります。

ただ実はこの耳がつまったような症状は、耳管狭窄症だけではありません。逆にこの耳管が開きっぱなしの耳管開放症でも同じような症状が見られます。また、耳あか、中耳炎、急性感音難聴やメニエール病、さらに耳の腫瘍など様々な病気でもみられる症状です。

つまり感がとれないと大変不快です。もし、耳管狭窄症でない場合は別の治療法がありますので、なるべく早く近くの耳鼻咽喉科で治してください。(2015年放送)