耳鼻咽喉科/耳そうじの仕方

耳そうじの仕方

 先日A子さん48歳が、綿棒で耳そうじをしていたら急に耳が聞こえなくなったと訴えて来院されました。診察しますと、耳の奥に耳アカがびっしり、鼓膜は全く見えません。耳アカのせいですよと告げると、毎日必ず耳そうじをしているのにと、けげんな顔をします。

ここで少し説明しましょう。まず耳アカとは、耳の穴のはがれ落ちた皮膚と、入口から一センチ位にある耳垢腺からの分泌物が、からみ合ってできていて殺菌作用も持っています。また、耳の穴の皮フは鼓膜から外側の方へ成長しますので、耳アカはベルトコンベヤーに乗っているように、自動的に入口へ運ばれ排出されるようにできています。実はA子さんは、この外へ出ようとする耳アカをわざわざ綿棒で奥に押し込んでしまっていたのです。

耳そうじの仕方ですが、耳そうじの習慣のない方はそのままで結構です。頻繁になされる方は、できれば2週に1回くらいに減らしてください。そうして、綿棒の先は耳の入り口からせいぜい1㎝くらいまでにして、奥の方から皮フを撫でるように回しながら外へかき出すようにしてください。先ほどのA子さんは耳アカを取った瞬間に聴こえが改善し喜んで帰られました。

耳そうじは健康保険が適用になっている立派な!医療行為です。耳アカが気になる方は遠慮せず、耳鼻咽喉科の医院やクリニックを受診してください。(2015年放送)