不正出血と必要な検査
不正出血とは、月経以外の出血を指します。少量であっても、血液の赤い色ではなく、茶色であっても不正出血であることを知っておいてください。年齢や性経験の有無で、不正出血の原因は異なり、したがって必要な検査も違ってきます。
性経験のある女性においては、場合によっては性感染症、20才以上であれば子宮頸がん検査を行います。特に性交後の出血の場合、性感染症と子宮頸がん検査は必須です。
さらに、性経験者で10代~45才の場合、妊娠の有無について確認が必須です。ご本人の自覚がないまま妊娠されていることは、産婦人科医としてよく経験することです。妊娠中の出血は子宮外妊娠や流産の可能性があり、迅速に対応する必要があります。性経験のない女性では、当然ながらこのような検査、すなわち子宮頸がん、性感染症、妊娠の検査は必要ありません。
性経験の有無に関わらず、10代から50才前後の場合、ホルモンのアンバランスによる出血も多くあります。その最多の原因はストレスです。しかしながら、それらの中に子宮体がんによるものがあり得ますので、場合によっては子宮体がん検査が必要になります。
55才以降の出血は月経ではなく、基本的に不正出血であることをよくご理解ください。そしてこの年齢で出血があれば迷うことなくすぐ産婦人科を受診されるようお願いします。
10代~55才の方々の出血でも、自己判断は難しいことがありますので早めの受診をおすすめいたします。(2015年放送)