生理不順
月経周期や月経量と月経持続日数が通常と違った時、あるいは生理がない時は生理不順といえます。通常、月経周期は28日前後、月経量は最大でもナプキン1日4~6回交換、日数は5日前後でしょう。この通常がおかしくなった時を生理不順と感じるのです。
卵巣ホルモンのリズミカルな分泌が未熟な時期の思春期や変調を来たす更年期に生理不順は多く見られます。思春期は卵巣の働きも未熟ですが、子宮も未熟ですから、月経痛を伴うこともあります。一方、更年期は、性器の腫瘍、いわゆる子宮がん、卵巣腫瘍を伴っていることが数多くあります。おしなべて月経痛がひどい時は子宮内膜症を伴うことが多いようです。その際はピルなどの服用で月経痛と同時に生理不順も改善できます。排卵があり月経が順調な成人女性でも、ストレスや一部の医薬品などで生理不順を招くこともあります。
最近では、女性のダイエットによる痩せすぎが無月経や生理不順と同時に、骨粗鬆症を発生することが問題になっています。さらにスポーツアスリートの無月経はほとんど回復しますが、ダイエットによる極度の痩せは、生理不順の回復が悪いようです。極端なダイエットは控えるべきです。また、成熟期から子宮がん健診などを定期的に受けることは婦人科腫瘍のチェックにもなります。「女性を見たら妊娠と思え」は産婦人科の鉄則です。よって生理不順は、妊娠のチェックも重要ですので産婦人科の受診をおすすめします。(2015年放送)