整形外科/手指の変形:へバーデン結節

手指の変形:へバーデン結節

 体質的な要因と指の使いすぎなどが重なって、指先に近い第一関節(DIP関節)の結節と呼ばれるコブ状の腫れ、徐々に変形が現れる、40歳すぎの女性に多く発症する、今も原因がはっきりしていない病気です。英国のヘバーデン(HEBERDEN)が1802年に全身性の関節症の特徴の一つとして、この病態を記載してへバーデン結節と呼ばれるようになりました。

衝撃が加わったり、強く握ったりすると痛んだり、動きが制限されることもありますが、日常動作にはさほど支障がないことが多く、長期的には痛みは自然と軽くなっていきます。

レントゲンで第一関節の隙間が狭くなっていたり、骨の変形などの所見を認めたら診断できます。

治療は消炎鎮痛剤の内服、軟膏などの塗り薬、ステロイドの関節内注射、低周波やマイクロ波などによるリハビリテーション、局所のテーピングなどを行います。また、痛みが持続するなら関節を固定する手術や、人工関節などの手術療法もあります。

なお手指の変形では、第二関節(PIP関節)に発症する類似した病気であるブシャール結節や関節リウマチとの区別も重要となりますので近くの整形外科専門医の受診をおすすめします。(2015年放送)