整形外科/腕のしびれがみられたら 胸郭出口症候群

腕のしびれがみられたら 胸郭出口症候群

 首から肩にかけて血管、神経、筋肉が複雑に走っており、特に鎖骨と首の筋肉と第一肋骨とで形成される隙間の部分を胸郭出口といいます。この出口を通って肩や腕へいく神経や血管が圧迫されたり、引っ張られて生じる症状を胸郭出口症候群といいます。

症状は肩こり、肩や肘の痛み、腕のしびれ、だるい、手が冷たい・むくみ、力の低下ですが、最も多いのはしびれです。血管圧迫型、神経牽引型、その混合型の三つのタイプがあります。診断は腕の上げ下げのどちらで症状が強いか、なで肩かどうか、首の筋肉の緊張具合、鎖骨と首の筋肉の間を押された時の痛み、手首の脈をみる誘発テストがあります。

治療として、血管圧迫型では、腕を挙る作業を避け、肩の運動療法を行います。それでも症状が続く場合には首の筋肉や、第一肋骨の手術を行います。神経牽引型では、物を持ち続ける・長時間のデスクワークなど症状を強める姿勢を避ける、肩の運動療法、肩を挙げる装具による治療法があります。両方のタイプに共通する治療として、首の筋肉や(星状)神経節ブロック、痛みや緊張を軽くする薬を飲んでもらいます。勉強や事務作業などを長時間できないため精神的ストレスをきたしている人には、その悩みを聞いてあげることで症状が軽くなることもあります。レントゲン写真で肋骨や鎖骨の異常がないかを調べます。

同様の症状を起こす頸椎症がないか、整形外科の診察を受け、その他、首や胸の腫瘍などは内科でみてもらいましょう。 (2015年放送)