外科/食道下部狭窄のアカラシア

食道下部狭窄のアカラシア

  アカラシアとは何らかの原因によって、下部食道の筋肉内の神経が障害された結果起こる病気です。筋肉がけいれんしたように収縮したままになって食べ物などが通りにくくなります。食べ始めは普通に飲み込めるのに、次第に通りが悪くなり、胸がつかえたり、途中でもどしたりすることもあります。

症状を軽くするには、一度にたくさんの食べ物を飲み込むのはよくなく、少しずつよく噛んで食べるようにしましょう。また寝る前の食事は控えるといいようです。

診断には食道、胃の圧力を測定しますが、測定する器械は大学病院などの研究機関にしかありません。それで一般には胃内視鏡や、バリウムによる胃透視が行われます。これらの検査は似たような症状を起こす食道がん、逆流性食道炎、胃潰瘍などと区別するためにも必要です。

治療法としてはまず食道の運動を抑える薬や、逆に食道上部の運動を促進させる薬が試されます。また精神安定剤も効果があることがあります。お薬の効果がなければ以前は外科手術が行われていました。手術部位が胸と腹の境目であるため、比較的大がかりな手術となっていました。最近では腹腔鏡を使った手術が主流となっています。

食事が飲み込めないなどの症状が続く時はアカラシアかもしれません。早めに消化器専門医を受診してください。(2015年放送)