気胸
気胸とは肺の一部が破れて肺と胸壁の間の隙間である胸腔の中に空気がもれて肺が縮んでしまう病気をいいます。肺は薄い小さな風船がたくさん集まったような構造になっているため、穴があくと空気が漏れてしぼんでしまうのです。
気胸は自然気胸と外傷性気胸に分けられ、自然気胸は特発性気胸と続発性気胸に分類されます。最も多いのが特発性気胸でやせ形の若い男性に多く見られます。続発性気胸は、主にタバコなどが原因で中高年に多く見られます。気胸の多くは肺の表面にブラと呼ばれる薄く袋状に飛び出た部分が形成され、それが破れることで起こります。肺が縮み始めると初めに違和感や胸痛、咳が出ます。やがて動いた時に息苦しさを感じるようになります。まれに重篤な状態に急速に移行することがあります。
特発性気胸の治療は、軽いものは安静のみで治ることが多いですが、漏れる空気が多い場合は一時的に空気を抜いたりあるいは胸腔内に細い管をいれて持続的に空気を抜く必要があります。治っても再発することもあり、手術をすることになります。
現在手術は胸腔鏡手術という内視鏡を使用してブラを切除する、傷の小さくて済む方法が多く行われています。術後再発は少なく、3日目で退院が可能となる場合が多く、最近は1回目でも手術を希望されるケースが増えています。
突然の胸の痛みや咳、呼吸困難が現れた場合、気胸の可能性がありますので、かかりつけの医師にご相談ください。(2015年放送)