精神科/高齢者の不眠

高齢者の不眠

 年齢とともに睡眠も変化します。年を取ると睡眠時間は短くなり、早起きになります。また、睡眠が浅くなり、トイレや物音で目が覚めやすくなります。一方、寝床にいる時間は高齢者ほど長くなり、寝床でうつらうつらする時間が増えて睡眠の満足度は低下します。

睡眠に関する注意点を挙げてみましょう。①眠気がないのに寝床に入ることはやめましょう。寝つきは悪くなりますし、途中で目を覚ましてしまうことが増えてしまいます。眠れないようなら一度寝床から出て眠くなるのを待ちましょう。②朝の太陽を浴びて日中の活動量を増やしたり、人と会って話をすると心地よい疲れが得られ、自然と眠れるようになります。③毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにして、睡眠リズムを整えましょう。④長い時間の昼寝は夜の睡眠に悪い影響を及ぼすので、昼寝は30分以内にしましょう。⑤入浴の時間を寝る前に近くすることで、寝つきやすくなります。⑥寝酒はかえって睡眠を妨げることになるので避けましょう。

次に不眠症についてですが、高齢者は心理的なストレス、からだの病気、薬の副作用、そしてうつ病や認知症などの心の病気によって不眠症にかかりやすくなっています。不眠が長く続くようでしたら、早めに病院で相談してください。また、睡眠薬については、現在日本で使われている多くの薬は安全性が高いので、過剰な心配はいりません。(2015年放送)