小児科/夏場に多い手足口病

夏場に多い手足口病

  手足口病は毎年夏場に流行する病気で、主に4歳ぐらいまでの幼児がかかりますが、小学生以上での流行も時に見られます。

症状はその名の通り、手のひらや手の甲、足の裏や足の甲、口の中などに2から3㎜位の大きさの水疱や赤い発疹が見られ、時に膝や肘、おしりにも現れます。発熱を見ることは少なく、あっても38度以下のことがほとんどです。皮膚の発疹は普通一週間ほどで自然に消え、痛みやかゆみを訴えることはありません。口の中の口内炎は時に痛みを伴うことがあります。

治療として特別なものはありません。口の中を痛がる場合には柔らかめで薄味の食べ物を与えます。脱水症を防ぐことが大切なので、薄いお茶やスポーツドリンクなどを少しずつ回数多く飲ませてください。ごくまれに髄膜炎などの合併症が起こることがあるので、高熱がある、元気がない、頭痛や嘔吐がある場合は早目に小児科を受診してください。

症状が消えてからも二から四週間ぐらいは便の中に病原ウイルスが排泄されますので、症状のある間だけ登園や登校を停止しても手足口病の流行を防ぐ効果はあまりありません。発熱もなく元気で食欲もある場合には、登園登校は差し支えないと考えられています。具体的な対応は各施設とよく相談してください。

予防のためにはこまめに手を洗うことが効果的です。特に手足口病にかかっている子やその世話をする人が手洗いを徹底することは感染の広がりを防止するためにとても大切です。(2015年放送)