小児科/咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱(プール熱)

 咽頭結膜熱は、名前が示すように、喉の痛み、目の充血や眼脂、高熱を主な症状とする、アデノウイルスという病原体が引き起こす病気です。

夏に流行することが多く、プールを介して伝染することがあるため、プール熱とも呼ばれます。しかし、学校などの管理されたプールでは、塩素の濃度がアデノウイルスを死滅させるように設定されています。ですからプールでの感染はそれほど多くないようです。

感染は、患者さんから飛び散った唾液や、眼脂、ウイルスに汚染された手を介して起こります。便からの感染もあります。また、タオルを共用することによっても感染します。経過は、5~7日の潜伏期の後、発熱で発症します。熱は39度を超すことも多く、5日前後続きます。その他、喉の痛み、目の充血、眼脂がみられ、扁桃腺に膿がべったり付くこともあります。熱は高いのですが、全身状態がそれほど悪くないのも特徴です。喉からのウイルス検査を行えば、短時間で診断をつけることができます。

治療ですが、特別なものはありません。水分を十分とり、必要に応じて解熱剤や点眼薬を使います。

予防はまずは感染者との接触を避けることです。もちろん、うがい、手洗いも大事です。この病気は学校伝染病で、主な症状が消えても2日間は登校登園できません。休んでも、欠席ではなく出席停止扱いになります。

喉が痛くて、高熱が出た時は、早目にかかりつけの小児科を受診してください。(2015年放送)