細菌性髄膜炎
細菌性髄膜炎の初期には、何となく元気がない、不機嫌、嘔吐、頭痛や発熱など軽めの症状が多く、診察でも異常が認められることが少ないため、早期診断や早期治療が難しい病気の一つです。
そこで、少しでも疑わしい場合には、積極的に検査をすすめることになります。血液検査、髄液検査、髄液培養や血液培養などで、ウイルス、真菌、結核や細菌などの原因を区別します。細菌性髄膜炎と診断がついたら、すぐに抗菌薬を最大限使用します。
細菌性髄膜炎に対して、抗菌薬は非常に有効です。それでも、治療の効果がなかったり、または不充分なために、水頭症、てんかん、難聴、発達障害などの重い後遺症を起こすことがあります。最近になっても、死亡率は、かなり高いです。
死亡率を減少させ、後遺症を残さないためには、頭のCTやMRI、脳波や聴力などの検査も必要です。
予防としては、ワクチンがさらに重要です。子どもの細菌性髄膜炎の原因では、インフルエンザ菌B型や肺炎球菌がが多く、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンが使用されるようになってからは、それらが原因の細菌性髄膜炎は激減しました。
ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは細菌性髄膜炎の予防に非常に有用です。5歳までに、この2種類のワクチンを受けたほうがよいので、かかりつけ医にご相談ください。(2015年放送)