急に立ったらふらっとしたこと、ありませんか?
急に立ったら、ふらっとしたり、目の前が真っ暗になったことはありませんか?その症状は起立性低血圧かもしれません。
起立性低血圧とは立ち上がった時に血圧が下がりすぎてしまい、脳への血流が低下してふらつきや目の前が真っ暗になったり、失神したりする病気のことです。通常、立ち上がると重力の影響で下半身に血液が多めに溜まり、心臓への血液量が減って血圧が下がります。正常な状態だとこの血圧低下に体はすぐに反応し脈拍を上昇させたり、血管を収縮させ血圧を上げることで脳への血流を保とうとします。この代償機序が障害されると起立性低血圧が起こります。
原因は、血圧を下げる薬や利尿剤、向精神病薬などの薬物によるもの、パーキンソン病や糖尿病など自律神経障害が起こる病気、出血や下痢、嘔吐、脱水などで体の中の血液量が減少している状態、飲酒や食後、入浴、気温・体温が高い状況など血管が拡張している状態などで、特に高齢者では代償機序の反応が鈍くなってしまうことから多くみられます。
診断は立ち上がって3分以内に収縮期血圧が20mmHg、または拡張期血圧が10mmHg以上低下しているかどうかで判断します。
治療は原因を除くことが大前提ですが、それが困難な場合や明らかな原因がない場合はゆっくり立ち上がったり、弾性力の強いストッキングを着用するなどの治療になります。症状が強い場合は薬物治療を行うこともあります。
前記のような症状がある場合は早めにかかりつけ医に相談されてはいかがでしょうか?(2015年放送)