内科/リウマチ性多発筋痛症をご存知ですか?

リウマチ性多発筋痛症をご存知ですか?

 身に覚えのない首や肩のこわばり、痛みに苦しんでおられませんか?実はその症状、「リウマチ性多発筋痛症」の可能性があります。関節リウマチと名前は似ていますが全く異なる病気です。関節リウマチでは関節の腫れや痛みが出て変形するのに対して、リウマチ性多発筋痛症では体の中心に近い首、背中、肩、太ももなどの筋肉に痛みやこわばりが出て、慢性的に持続します。50歳以上の方に見られ、発熱などの全身症状に加え、手足が腫れたりむくんだりすることもあります。ある日突然起こることがほとんどですが、徐々に症状が強くなり、この病気と診断されないままに何年も苦しんでいる方もいます。

重要なことは、この病気は「ステロイド」という飲み薬が非常によく効くということです。多くの方ではステロイド薬を開始して一週間程度で症状はほとんどなくなります。ステロイド薬は症状がよくなった後も続けて服用する必要がありますが、徐々に減らしていき、最終的には中止します。完全に中止するまで2~3年かかりますが、途中で「ぶり返し」が起こることがあり、その際はもっと期間が長くなります。

元々この病気は欧米に多く、日本では比較的まれな病気と考えられていましたが、高齢化に伴い患者さんの数は確実に増えています。50歳以上でこのような症状がみられた際には、かかりつけの医師に相談するか、リウマチ専門医を受診することをおすすめします。(2015年放送)