内科/食中毒にご用心

食中毒にご用心

 食中毒の原因には、細菌やウイルスによるものの他、フグや毒キノコなどの動植物、アニサキスなどの寄生虫など色々なものがありますが、今回は細菌やウイルスによる食中毒を中心にお話しします。年間数万人前後が報告されており、以前は刺身などによる腸炎ビブリオや鶏卵などによるサルモネラ菌などの食中毒が主流でした。しかし、十数年前から鶏肉などによるカンピロバクターやカキによるノロウイルスが増加し、それぞれ3割前後を占め、腸炎ビブリオ、サルモネラ、病原大腸菌、ブドウ球菌などは各々一割以下になっています。

食中毒の症状としては、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などが見られますが、症状だけで細菌によるものかウイルスによるものかを区別することはできません。食中毒は夏場に多いですが一年中発生しており、ノロウイルスはカキのシーズンである冬に注意が必要です。

予防するための三原則は、食中毒菌を『付けない、増やさない、殺す』ことにあり、食中毒菌がまぎれこむ可能性を徹底的に除くことです。普段からしっかり手を洗うようにし、清潔な調理器具を使用することが大切で、食材はなるべく新鮮なものを使いましょう。加熱が必要なものは、十分に加熱殺菌します。また、調理したものは、原則として早く食べるようにし、冷蔵庫に入れておけば大丈夫と過信してはいけません。嘔吐、下痢、発熱などによる脱水に注意して、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診してください。(2015年放送)