内科/コレステロールのLH(エルエイチ)比

コレステロールのLH比

 最近の健康診断では血液検査でLDLとHDLという二つのコレステロールの値を測ることが一般的となっています。LDLは悪玉コレステロールともいわれ高くなると危険、逆にHDLは善玉コレステロールとも言われ低いと危険、これらを脂質異常症といいます。脂質異常症は心筋梗塞や脳梗塞など動脈硬化による病気の原因の一つとされています。

ではこの二つの数値を見てどう判断するのがよいのでしょうか。最近出された動脈硬化性疾患予防ガイドラインによるコレステロールの治療目標は複雑です。例えば、狭心症や心筋梗塞にかかったことがある人は、LDLコレステロールを100未満へ。他にも糖尿病や動脈硬化症などの病気の有無などによって100未満から160未満まで細かく治療目標を決めています。

そこで出てきたのがLH比です。LH比というのはLDLの値をHDLの値で割り算した数値です。ニコルス医師が2007年に書いた論文からLH比が2.0を超えると心臓を養う冠動脈の動脈硬化は進んでしまうが、それ以下では改善する可能性があると述べたことがきっかけです。この結果により一般にはLH比が1.5以下が正常、2.0以下はまあまあと評価されています。例えばLDLが140、HDLが40の人ならLH比は3.5といった具合です。LH比を示して説明している医療機関はまだ多くはありませんが、簡単にできるのでご自分で計算してみてコレステロールの値を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょう。(2015年放送)