喀血
肺や気管支などの気道から、少量の出血があり痰に薄く血が混ざることを血痰といいますが、出血が多く大量に血液を吐き出すことを特に喀血といいます。
喀血はのどや鼻からの出血や胃腸からの出血とは違いますので、見分ける必要があります。症状だけで見分けることは難しいこともありますが、一般に激しい咳と共にブクブクと泡だった真っ赤な血液を吐き出すのが喀血の特徴です。
原因としては、気管支拡張症や肺結核及び肺炎など多くの感染症や肺がんなどがあります。他にも肺の中の異物、また心臓の病気、肺の血管の異常や胸のけがで肺が傷ついた時にも起こります。軽い感染症なら抗生物質のみで回復しますが原因によっては放置すると重症化したり周りに感染を広げたりすることもあります。
痰に出血があれば必ず医師の診察を受け胸のレントゲンや痰の中の細菌やがん細胞の検査を受けましょう。これらの検査や診察、症状の経過や喫煙などの聞き取りで多くは診断をすることができます。
出血の多い喀血は血液で気道が塞がれ窒息する危険があります。すぐに止血する必要があるため呼吸器科や外科のある総合病院を受診してください。かかりつけの医師がいればぜひ相談し、これまでの診療内容を受診する病院に連絡してもらいましょう。速やかな診断、処置の助けになるはずです。
周囲の人が喀血し重症の時は救急車を待つ間に頭を低くして顔を横に向けるなどして血液が気道につまらないように気をつけてあげてください。(2015年放送)