小児における噛むことの効用・意義
噛むことは、人間が生きていくうえでの非常に重要な運動の1つです。今回は、特に子ども達に焦点を当て、噛むことでどのような良いことがあるのか5つご紹介します。
第1は、虫歯になりにくくなります。唾液の量が増えることで食べ物の流れが良くなり、歯や歯ぐきに付きにくくなること、唾液中の物質により、虫歯菌の出す酸を中和し、歯が溶けるのを防ぐからです。
第2は、歯並びが良くなります。成長期の歯並びや顎の骨は、周りの筋肉の力によって形が変わります。
第3は、味覚が発達します。しっかり噛むことで食べ物が唾液に溶けてはじめて味を感じることができます。
第4は、食中毒になりにくくなります。よく噛むことで食べ物の表面積が増え、唾液中の抗菌物質や胃酸により食べ物の中の細菌などが殺菌されやすくなります。
第5は、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。噛む筋肉と口を閉じる筋肉は同じです。噛む筋肉が発達することで、口を閉じて、鼻で呼吸をすることが上手になります。鼻の粘膜のバリアーにより、ウイルスや細菌が直接体内に入るのを防ぎます。
以上のように、しっかり噛んで食べることで、いろんな良いことが起こります。噛みごたえのあるものを食べるなどの良い食習慣を身に付けたり、虫歯や歯周病の予防・治療のため、歯科医院で定期検診を受けるなどして、口の中の環境を整えることをおすすめします。(2014年放送)