口臭―歯科の立場から―
あなたの周りでお口のにおいが気になる方はいらっしゃいませんか。
また、ご自身のお口のにおいを指摘された方はいらっしゃいませんか。口臭の原因は「胃が悪いから」と思われていませんか。もちろん内臓の病気によって口臭が出ることもありますが、その割合は少なく、そのほとんどがお口の中の汚れ、すなわち細菌によって引き起こされる歯周病や舌の表面の汚れが原因です。
お口のにおいの主な原因の1つである、歯周病からくるものについてお話ししたいと思います。歯と歯ぐきの間には数ミリの小さな溝があります。その間には体の水分である血漿が流れています。お城の外と内の間のお堀のようなものです。歯周病菌は空気がないところでどんどん増える性質があるので、そのお堀はとても居心地がいいのです。歯のほうにピタっとくっつき、徐々に歯石とよばれる硬い石になり、どんどん増えていきます。さらに、歯周病菌はガスをどんどん出します。それが歯周病の口臭の原因なのです。
これを予防するにはどうすれば良いでしょうか。そう、この歯周病菌を寄せ付けないことです。ご自身の毎日の歯磨き、歯と歯の間はフロスと歯間ブラシをすることは不可欠です。そして定期的なクリーニングをして、歯周病菌の繁殖を防ぎましょう。詳しく知りたい方は、お近くの歯医者さんでご相談ください。(2014年放送)