歯科/口内炎は体からのシグナル

口内炎は体からのシグナル

強い痛みを伴い、私達の日常生活にも支障を及ぼす口内炎。これは、口の中の粘膜や舌が赤くなったり潰瘍ができたりする炎症のことです。

炎症の原因は、全身的な病気の1つの症状として体に現れる場合と、細菌やウイルス感染、アレルギー、ストレス、入れ歯などの刺激により口の粘膜だけに起こる場合があります。

中でも皆さんが体験する口内炎の多くは、周囲が赤くなり、中央が白い膜のようなもので覆われた痛みの強いアフタ性口内炎がほとんどです。

発病のメカニズムは明らかではありませんが、偏食、ストレス、睡眠不足などの生活習慣が大きく関係します。また、歯科領域の関連として、歯の尖った所、歯並びが悪い所でつい頬や舌をかんでしまう、歯ブラシによる粘膜の傷、口腔乾燥などの原因が考えられます。

治療は、弱いステロイド系軟膏をつけるのが一般的で、口内炎の痛みを和らげ体力の低下を防ぎます。また、細菌を抑え、早く治すために殺菌成分入りのうがい薬などを使うのも有効です。刺激の原因がある場合は、歯の尖った所を丸める、入れ歯の調整などを行います。ほとんどは体調の回復や歯科医院での処置で1~2週間で治癒します。一方で治りにくい場合は、全身の病気の症状の1つの可能性や、ほっておくとがんになる恐れのある場合もあります。

口は体の健康状態を写し出す鏡。そのシグナルにいち早く気づき、歯科医院などで早期診断を受けられることをおすすめします。(2014年放送)