歯科治療における自費と保険の分かれ道②
歯科矯正治療やインプラント治療が原則的に保険がきかないのはご存じだと思いますが、被せものや詰め物そして入れ歯においては保険がきく、きかないの判断は少々複雑です。
まず、保険診療は原則として病気の治療であること、その目的で使用できる材料や方法が決められているということを理解しておく必要があります。例えば、むし歯などで前歯が大きく欠けて、見た目や発音、かみ合わせに問題がある場合には、保険で認められる金属とプラスチック材料とを組み合わせて作製した表面が白いかぶせものの修復が可能です。ところが、この方法は奥歯の治療では認められておらず、原則金属の被せものになります。つまり、奥歯の治療は、咬み合わせの回復が治療の主体であって、見た目の回復までは治療目的とはしないという考えがあるからです。それ以上の治療は保険治療の適応から外れるということなのです。したがって、金合金やセラミックなどの材料を用いた治療も、同じような考えで保険適応外となります。
入れ歯においては、過去に比べると以前に保険適応外とされていた製作方法がかなり保険で認められるようになりましたが、金属のばねを使わない見た目のいい部分入れ歯や金属床の入れ歯などは自費治療となります。ただ、金属床の総入れ歯に限って、費用の一部が保険で併用できる特別な制度もあります。
詳しくは、かかりつけの歯医者さんに相談されて、十分納得の上治療なされば良いと思います。(2014年放送)