皮膚科/貨幣状湿疹

貨幣状湿疹

湿疹の中で円形またはだ円形の赤み、びらん、がさがさができるものを貨幣状湿疹といいます。体のどの部分にも起こりますが、うで、すね、背中、腰などによく起こります。

原因は不明ですが、細菌やカビに対するアレルギーや本人の体質が原因と言われています。できやすい人は何度も起こることを考えると何らかの体質がもとにあると思われます。

貨幣状湿疹の症状は時期によって異なりますが特徴があるので詳しくおはなしします。赤い小さな点々ができいくつか集まって赤みと小さな水ぶくれの集まりになります。この水ぶくれが破れて、びらん、かさぶたになります。そしてびらん、水ぶくれ、かさぶたが一緒になった、皮膚より少し盛り上がった赤茶色の盛り上がりになります。形は円形やだ円形で周りの皮膚との境ははっきりしています。この形が昔のお金の形に似ているので貨幣状湿疹と呼ばれており、かゆみをともないます。

治療として主にステロイド外用剤をぬります。かゆみを伴うので抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の飲み薬も併用します。ひどい時はステロイドの飲み薬や抗生物質の飲み薬やぬり薬を使用することもあります。症状がひどくなると、もともとの症状の部位だけでなく全身に発疹の出る自家感作性皮膚炎の原因になりますので早めにきちんと治療することが大事です。いったん治ってもまた再発することもありますが、貨幣状湿疹を疑ったら皮膚科を受診してきちんと治療してください。(2014年放送)