尿に泡が混じったら
皆さんは、尿に泡が混じった経験はありませんか?
尿の勢いがよすぎて泡が立つことはありますが、この場合の泡はすぐに消えてなくなり、病気でも何でもありません。また、手術の時や尿検査のために膀胱に管(くだ)をとおした場合には、管から空気が膀胱の中に逆流するため、管を抜いた直後には尿に泡が混じることがあります。また、夏場や激しい運動の後などで、汗を多くかいて尿量が少なくなると、尿が濃くなって粘り気が強くなり、尿の泡立ちが目立つようになります。
泡がなかなか消えてなくならなかったり、泡立ち尿が毎日続く時には、色々な病気の可能性があります。腎臓病などで、尿の中に多くの蛋白が排泄されると、尿の粘り気が強くなり、きめの細かいクリーミーな泡が目立つようになります。泡が混じるだけでなく、尿が濁ったりにおいが強かったり、排尿時の痛みや残尿感などの症状があれば、膀胱炎のことがあります。ガスを作り出す細菌による特殊なタイプの膀胱炎では、膀胱の中にガスが作り出されるので、当然、尿の中に泡が混じって出てきます。そのほかに、膀胱と大腸とが病気によって穴でつながると、腸の中のガスが尿に出てきます。ガスだけではなく、尿の中に便が混じることもあります。この場合には、大腸がんや憩室炎が原因であることが多く、手術が必要になります。
尿の泡がなかなか消えなかったり、長く続くようでしたら、恥ずかしがらずに、泌尿器科専門医へご相談されることをおすすめします。(2014年放送)