泌尿器科/女性の過活動膀胱

女性の過活動膀胱

最近、テレビや雑誌でよく話題になる「過活動膀胱」とは、文字通り膀胱の活動が過剰になった状態のことです。急に尿意をもよおし、排尿の回数が多くなります。場合によっては、排尿が間に合わなくて漏れることもあります。ただし、膀胱炎や膀胱結石あるいはがんなどの明らかな膀胱の病気がある場合は除きます。

「過活動膀胱」の原因は、出産や加齢による骨盤の筋肉が弱くなることが関係しているようですが、はっきりした原因は分かっていません。「過活動膀胱」の患者さんは非常に多く、40歳以上の女性の8人に1人は「過活動膀胱」だといわれています。そのうち、半数の患者さんは尿が漏れるタイプの「過活動膀胱」です。

治療には、行動療法と薬物療法があります。行動療法には、トイレに行きたくなっても我慢して膀胱の筋肉をトレーニングする膀胱訓練と、ゆるんだ骨盤の筋肉を鍛えて締まりやすくして尿漏れを改善する骨盤底筋体操があります。毎日少しずつ徐々に行うのが長く続けられるコツです。薬物療法には、飲み薬と貼り薬があり、膀胱の筋肉をリラックスさせて膀胱の過敏状態を改善させます。ただし、口が渇いたり便秘や視力障害などの副作用が出ることがあります。なお、刺激物は摂りすぎないようにし、下腹部を冷やさないように気をつけてください。

「過活動膀胱」は非常に多い病気ですから、このような症状が気になる方は、恥ずかしがらずにかかりつけ医か泌尿器科の医師に相談されると良いでしょう。(2014年放送)