尿路結石とは①
尿路結石とは、尿が腎臓で作られて尿道から排泄するまでの、尿の通り道にできる結石のことで、胆石とは全く別の病気です。もともと腎臓でできた結石が流れてきて、病院で見つかった時の結石の場所により、腎結石とか、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と診断されます。ただし、お年寄りの男性で前立腺肥大症など残尿が多い人の中には、最初から膀胱結石ができる人もいます。
尿路結石は、食生活の欧米化により年々増加している生活習慣病の1つで、一生のうちに、男性の7人に1人、女性の15人に1人がかかると言われています。しかも、病気が治っても、2人に1人が再発する病気です。
結石ができたばかりで、腎臓の奥深くにある間は症状がありませんが、自分の体が病気を治そうとして結石を体外に排泄させようとすると、腎臓の出口や尿管の途中、膀胱の入り口に結石がつまり、左右の脇腹から背中にかけて痛みがでます。尿路結石の痛みは、「痛みの王様」と呼ばれるくらい激しい痛みです。
結石は、激痛の割に1センチ以下と小さいことが多く、60%から70%の結石は、膀胱から自然に尿と一緒に排泄されます。しかし、排泄されずに痛みが続いたり、腎盂腎炎を合併したり、結石が大きく排泄できない場合には、手術が必要になります。また、検診などで見つかる無症状結石の中で、腎機能が低下している大きな結石の場合にも手術が必要です。(2014年放送)