婦人科における腹腔鏡下手術
腹腔鏡下手術とは、おなかの中(腹腔内)にカメラ(電子スコープ)を挿入し、おなかの中の様子をテレビモニターに映し出し、したばら(下腹部)の2~3箇所に5~12㎜程度の小さい穴を開け、長い手術操作道具(鉗子)を挿入し、テレビモニターをみながら手術を行う方法です。従来は数十センチ程度切開して行う開腹手術が一般的とされてきましたが、2011年の婦人科領域での全国調査によると、約3万件近くの腹腔鏡下手術が行われています。
腹腔鏡下手術の長所としては、きずあとが小さく目立たない。手術後の痛みが少ない。入院期間も短く、退院後の社会復帰も早い。手術後の癒着が少ないなどが挙げられます。短所としては手術装置が高価で特殊な器械を揃える必要があり、手術にはある程度高度な技術や全身麻酔が必要とされ、手術時間がやや長くなることなどです。
婦人科の病気の中で、基本的には良性疾患が対象となり、子宮筋腫、卵巣の良性腫瘍、卵巣チョコレート嚢胞、子宮外妊娠、その他一部の悪性腫瘍などといった病気が対象となりますが、すべての婦人科の病気が腹腔鏡で実施できるとはいえず、限界があります。
あなたが婦人科の病気を告げられ、手術が必要と言われた場合には、かかりつけ医とも十分相談してください。(2014年放送)