整形外科/まくらと肩こり

まくらと肩こり

  首の後ろから肩関節にかけての筋肉が慢性的にこわばって具合が悪いという肩こり。この肩こりに効果的な特別な枕が世の中にある、というわけではありません。

寝る時に頭、首、背中という体のカーブした構造を後ろから優しく支え、睡眠をもたらし、疲労回復に役立てるものが枕であることを考えると、望ましい枕は、当然、人それぞれの体型で変わってきます。例えば、猫背の人はそうでない人に比べ、高い枕が必要です。また、横向きの時はその人の肩幅によっても望ましい枕の高さも違ってきます。旅先の寝床で、枕が合わず眠れなかったということはよくある話で、そうなると首から肩にかけての筋肉に緊張が強くなり、血行障害が起こりますので、肩こり感がひどくなるでしょう。肩こりを起こさないためには少なくとも枕は自分の体型にあったものが必要です。タオルを丸めて用いるなど、調整してはいかがでしょうか。

肩こりの原因は枕だけでなく頸椎の病気や精神的なもの、あるいは原因が目にあるもの、または姿勢が悪いことによるものなどがあります。ウォーキングや体操などの全身運動をしたり枕を色々試しても肩こりが改善しない時は、漫然ともみほぐしをせず、まず近くの医療機関で肩関節や首の状態をレントゲンやMRIなどでチェックしてもらい、そのうえで対策をとり、肩の凝らない人生を送っていただきたいと思います。(2014年放送)