整形外科/肘部管症候群について

肘部管症候群について

手にしびれが出る病気はいくつかありますが、肘部管症候群はそのうちの1つです。肘の内側を机の角などにぶつけて、手がジーンとしびれた経験をされたことがあると思います。その神経が尺骨神経です。肘の内側に骨の溝があり、そこをこの神経が通っており、靱帯で固定されています。この靱帯が厚くなったり、骨が変形して神経を圧迫したり、締め付けたりすると手の小指、薬指、中指の内側にしびれが出ます。また、子どもの頃の骨折で肘が外側にまがり、尺骨神経が引っ張られて症状が出ることがあります。このように尺骨神経が刺激される病気を肘部管症候群といいます。進行すると触った感覚が鈍くなったり、手の筋肉が痩せたり、指が伸ばせないなどの症状が現れることがあります。

診断法として、レントゲン検査で骨の変形の有無をみたり、エコー検査で神経の圧迫の有無をみます。電気生理学検査として、筋電図検査があります。

治療法としては、しびれをやわらげるお薬を飲みます。効果がなかったり、症状が強い場合は手術で神経を移動したり、骨棘という骨の出っ張りを取り除く方法などがあります。しかし手術をしてもしびれが完全になくなることは少なく、多少は残ることを理解しておく必要があります。手の小指側にしびれがある方は、整形外科の受診をおすすめします。(2014年放送)