整形外科/ロコモティブ症候群

ロコモティブ症候群

 ロコモティブ症候群とは、骨、関節、筋肉といった運動器の機能が衰えてきている状態をいいます。つまずきやすくなったり、膝が痛くなったりするという状況は、この始まりです。つまり、自分のからだに黄色信号が点灯している状態です。年齢とともに運動機能が低下していくのは、ある程度は自然なことです。しかし、そのままにしておくと、介護が必要な生活が待っている恐れがあります。

運動器の状態を悪化させずに改善させる方法があります。それは自分にあった適切な運動(トレーニング)を行ない、継続することです。それも、少しきついと感じる程度の強さでなければ効果がありません。筋肉や骨を丈夫にするためには、今以上の筋肉や骨が必要であるということを自分自身に伝えなければならないからです。運動を継続しなければならないのも同様の理由によります。筋肉では乳酸のような疲労物質が溜まると体はもっと筋肉が必要であると感じたり、骨では骨自身のたわむ量が大きくなると骨をもっと強くしないといけないと判断したりする仕組みが身体には備わっています。

しかし、自分に合った適切な運動量は、個人差が大きく体調やかかった病気などで変わってきます。整形外科やリハビリテーション科などで診察を受けて指導してもらうのが良いでしょう。対策を行えば、自分の年相応、またはそれ以上の「運動器の健康」が手に入り、この先、より長くより良い生活が送れるはずです。(2014年放送)