整形外科/ばね指

ばね指

  ばね指は指の腱鞘炎です。症状として、指の曲げ伸ばしをする時に、カクンカクンとした引っ掛かりが見られます。最初は朝起きた時だけ症状があり、日中は使っていると症状が軽くなります。進行すると痛みも出て、引っ掛かりも強くなり、ほかの手で伸ばしてあげないと指が伸ばせなくなってきます。重症になると、指の曲げ伸ばしが全くできなくなります。

腱は腱鞘と言われる組織で覆われています。これは、ベルトとベルト通しの関係に似ています。指を曲げる腱と腱鞘の間で炎症が起きると、腱が腱鞘の部分で引っ掛かるようになります。これがばね指です。

ばね指の原因として、手の指の使いすぎがまず挙げられ、更年期の女性に多く見られます。そのほかに糖尿病、リウマチ、透析の患者さんにもよく発生します。

治療ですが、まず指の使いすぎをやめましょう。消炎鎮痛剤の入った湿布・塗り薬も効果があります。注射の治療もよく行われます。腱鞘内に炎症を抑える作用のあるステロイド薬を局所麻酔薬と一緒に注射します。腱鞘の炎症が治まり、症状が改善します。これらの方法で治らない時に手術を行います。腱が引っ掛かっている腱鞘の一部を切って、腱がスムーズに動くようにします。手術は局所麻酔で行い、小さな傷で手術時間も短時間で済みます。(2014年放送)