ハネムーン麻痺(橈骨神経麻痺)
生徒さんなどが、昼休みなどに机にうつぶせて寝てしまい、目が覚めると手が痺れて指や手首を動かすことができなくなって病院を受診することがあります。また、パートナーや添い寝をしてやっているお子さんの頭を二の腕に乗せている時にも生じることがあるようです。
肩から先の腕には大きな3本の神経が指先まで伸びています。その中で肘の外側を通る橈骨(とうこつ)神経は、知覚神経として親指と人差し指の間の皮膚の感覚を伝え、また、運動神経として指や手首を伸ばす運動の指令を筋肉に伝えています。
神経自体は柔かい脂肪などに包まれて指先へ伸びていきますが、2の腕から肘にかけては圧迫にさらされやすい部位があり、このような症状が起こりやすいようです。
圧迫が取れると神経は徐々に機能を回復するので、症状も自然に改善に向かうことが多いようです。
しかし、圧迫の程度や時間によっては、症状が強かったり、改善に時間がかかったりします。全く手首を動かすことができないほどであれば、添え木などを当てて固定します。また、筋肉の麻痺で萎縮が起きないように電気治療などによって筋肉に刺激を与えるような治療を通院でおこなうことがあります。
完全回復までに数か月を要することもありますが、数か月を経過しても改善がない場合は、神経周囲の癒着をはがすような手術が検討されることもあります。
脳卒中でも同じような症状が出ることがありますので、必ず医師の診断が必要です。(2014年放送)