広汎性発達障害について
かなり難しい響きの名称ですが、広汎とは、広い・狭いの「広い」という意味です。狭い意味での発達障害は、例えば、極端に計算だけが苦手とか、読むことだけが苦手といった学習障害などを指しています。広汎性発達障害の中で皆さんが聞かれたことのあるのは「自閉症」とか「アスペルガー症候群」といった名前だと思います。実は細かい分類には障害のある人やそのご家族にとってはあまり意味がありません。狭い分野に限定された障害ではなく、広い範囲で特徴的な障害が認められるのだなと、大きく理解していただいた方が良いと思います。
では、どのような特徴的な障害が認められるのかと言うと、次の3つです。①社会性の障害。例えば人に無関心。②コミュニケーションの障害。例えば会話ができない。③想像力の障害。例えばままごとなどの「ごっこ遊び」をしない。これらの3つの症状が小さい時からみられるという特徴があるのです。これらの3つの症状は、成長途上の子どもさんたちには多かれ少なかれみられるものです。
通常はそれをいちいち障害扱いせずに成長の中で見守っていくのですが、ご心配な方は、最寄りの保健所や小児科で相談されてもいいと思います。ほかの兄弟と何だかタッチが違うだとか、ほかの園児とどこか違うといったようなお母さんや保育士さんが日々接する中で感じられる心配は、遠慮せずにご相談いただくことが大切です。(2014年放送)