小児科/川崎病

川崎病

  川崎病という子どもの病気、ご存知ですか。1967年に川崎冨作博士によって初めて報告された病気です。その後も毎年1万人以上の子どもたちが新たにこの病気にかかっています。年齢的には4歳以下の乳幼児が大部分です。そして多くの日本の研究者が長年にわたって調べてきましたが、未だにこの病気の原因は分かっていません。

川崎病の症状は、5日以上続く熱、両方の目が赤く充血する、唇が赤くなり口の中の舌の表面がイチゴのようにぶつぶつとなる、体に発疹が出る、手足がむくんで腫れて手のひらが赤くなる、首のリンパ節がぐりぐりと腫れるなどです。これらの症状は川崎病以外の病気でも見られ、決してめずらしくはありませんが、そろってこのような症状が出た時に川崎病と診断されます。

さて、この川崎病でもっとも重要なことは心臓に合併症を起こすことがあるという点です。心臓の冠動脈は心臓の筋肉に栄養や酸素を送っていますが、この動脈がふくれて大きなこぶ、つまり動脈瘤を作ることがあります。近年、治療法が画期的に進歩したため後遺症もなく治ってしまうことが大部分ですが、それでも大きな動脈瘤を後遺症として残す子どもが全国で年間35人から40人いると言われています。その中の一部は将来心筋梗塞や突然死を起こす可能性があります。

川崎病のような症状がありましたらかかりつけ医にご相談ください。(2014年放送)