小児科/嘔吐・下痢の時の水分補給

嘔吐・下痢の時の水分補給

  冬になるとノロウイルスやロタウイルスを代表とするウイルス性胃腸炎が流行します。

突然、吐き始めやや遅れてうすい黄色の水のような下痢が続きます。発熱もよく見られます。感染力が非常に強いので、家庭内に広がらないよう十分な手洗いを開始してください。同時にこどもは脱水症になりやすいので脱水の予防に水分補給を始めましょう。

水分補給はかかり始めの、吐き気が強い時が一番大変です。体から失われてゆくものは水だけではなく、電解質という塩分もあります。糖分も不足してきます。市販のスポーツドリンクや、脱水症用に工夫されて作られた経口補水液も薬局で販売されていますので利用してください。ミネラルウォ―ターやお茶だけでは脱水予防にはなりません。そして、これらをスプーンやスポイトを使って少量ずつゆっくりと与えます。冷たいものの方が吐きにくいので氷にして小さく砕いて与えるやり方もあります。

水分補給がうまくゆけば1日半程で嘔吐はなくなり下痢が目立ってきます。ここまで来たら一山越えた感じです。あとは腸に負担をかけないように、お粥、野菜のスープ、うどん、薄味の味噌汁などから食べさせてください。ミルクや牛乳は乳糖を多く含んでおり弱った腸には負担になります。下痢がひどい間はひかえめにするか、乳糖が入っていないミルクを使ってください。

約1週間で治りますが、何といっても脱水症を見逃さないことが大事です。かかりつけの小児科医に診てもらいながら乗り切ってください。(2014年放送)