ラクナ梗塞とは何でしょう
脳の深いところの毛細血管のつまりによって生じる脳梗塞です。毛細血管は太い動脈と違って、血流が流れこむ度にある程度伸び縮みをしています。これらの細い血管に強い動脈硬化が起きると、血管が伸び縮みできなくなります。小さな脳梗塞ですが脳の重要な部位に生じると、手足が動きにくくなったり、手足がしびれたり、ロレツが回りにくくなったりする障害が起こります。こうした場合は通常の脳梗塞と同じような治療が必要になります。
一方、ラクナ梗塞でも症状がない場合や頭痛、めまいのみで神経症状がはっきりしない場合があり、このような状態を無症候性脳梗塞といいます。何故かというと、毛細血管が動脈硬化によって機能を失うため、脳細胞が死んでも比較的小規模・限定的であることが多いためです。 さらに周辺の毛細血管からある程度間接的に栄養・酸素供給が得られ、助けられていることが多いためです。この場合、ラクナ梗塞の再発を予防していくことが、治療の主体となり、血液をサラサラにする薬が使用されます。放置した場合、再発により神経症状が生じる可能性が高くなりますし、再発を繰り返すことで認知症の原因になることがあります。また、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙といった動脈硬化の危険因子があれば積極的に治療する必要があります。(2014年放送)