健康寿命
いくつになっても健康で自立した生活を送り、できればピンピンコロリでいきたいと皆様が願っておられることと思います。ところで2000年にWHO(世界保健機構)が提唱した「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか。日本では平均寿命は延び続けていますが、そのうち健康で自立した生活を送ることのできる期間が「健康寿命」となります。
2010年の時点で、日本人の平均寿命は男性約80歳、女性約86歳、平均健康寿命は男性約70歳、女性約74歳とされ、その差は男性10歳、女性12歳です。平均寿命と平均健康寿命の差は、介護が必要であったり寝たきり状態であるなど「不健康な期間」を意味します。10~12年も自立した生活を送ることのできない期間があるのですね。
今後は、平均寿命を延ばすだけでなく、健康寿命を延ばし、不健康な期間を減らすことが重要になってきます。個人としての生活の質の低下を防ぐとともに、医療や介護の費用を増やさないことが日本国民に求められる時代になりました。そのためには、早い時期から健康的な生活習慣を確立し、「からだのメンテナンス」「発病予防、健康増進」という考え方が必要でしょう。誰もが避けることのできない「老化」に備えることに加えて、「生活習慣病」の発症および進行の予防が大切なのです。
健康寿命を延ばすために、検診などは進んで受け、治療の必要な方は早めにかかりつけ医を受診しましょう。(2014年放送)