内科/高齢者の貧血

高齢者の貧血

  高齢者の貧血は男女共に赤血球数が350万未満またはヘモグロビンが十1g/dl未満を基準としています。症状として多いのは疲れやすい、何となくだるい、階段を昇るのがつらい、周りから顔色が悪いと言われる、息切れ・動悸がするなどのほかに全く症状に気付かれない場合もあります。

60以上で見られる貧血のうち原因となる病気がなければ年齢による老人性貧血とされますが程度は軽くその割合はおよそ7%台です。多くの割合の老人性貧血は鉄欠乏性貧血や何らかの病気によって二次的に起こる続発性貧血です。鉄分の不足による鉄欠乏性貧血はその原因に胃や食道、大腸など消化器系の良性の病気や悪性腫瘍などがあり原因を調べることは大変重要です。

続発性貧血の原因には消化器系の病気を始め腎臓病、リウマチ、結核などの慢性の感染症、悪性腫瘍、甲状腺の病気など多くの病気が関係してきます。高齢になるとこのような病気を複数持っている方もおられ、その分服薬も多くなりその副作用としてまれに貧血が見られることもあります。

貧血を主な症状とするいわゆる血液系の病気に高齢者白血病、骨髄異形成症候群および多発性骨髄腫などがあり、血液専門医による検査と治療が必要となってきます。

貧血の症状かなと思われたらかかりつけ医あるいは一般内科医に相談されてください。また症状がなくても健診などで偶然見つかることもありますので定期的に健診を受けることも貧血の早期発見には非常に大事です。(2014年放送)