レビ―小体型認知症とは
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と並び3大認知症の1つといわれています。パーキンソン病に似た運動障害も見られるのが特徴です。
かつては瀰漫(びまん)性レビー病と呼ばれ珍しい認知症とも考えられていましたが、今では認知症の約3分の1が、このレビー小体型認知症といわれています。
認知症状の進行に伴い、手足の安静時の震え、歩行障害、筋肉が固くなってスムーズに動かないなどのパーキンソン病のような症状に加えて、患者は「そこに青い服を着た子どもがいる」などと、まるで本当にみているかのような症状が見られます。ほかの認知症と違い視覚的に物事を捉えることが難しくなり、図形を書くのが早い時期に上手くできなくなるのも特徴です。そのほか、突然意識や注意が低下し、眠り込んでしまうこともあります。でも、これらが必ずすべて見られるわけではありません。
診断はどうするのでしょう。
以上のような症状は、脳血流シンチグラフィで後頭葉の血流の低下として捉えられます。またパーキンソン病同様に、脳の血流や心臓の状態をみる特殊な検査で診断が可能です。
妄想、暴言、介護拒否、徘徊などの認知症に伴う症状が出やすいこともあり、これに対して精神病の薬が処方されると過剰に反応することがあります。一方ドネペジルに代表されるアルツハイマー型認知症の治療薬や抑肝散などの漢方薬が、良く効くこともよくあり、的確な診断が大切な病気です。(2014年放送)